バネリストのひとりごと MADE IN 超JAPAN.

カテゴリ:技術( 13 )


1.0mm×0.02mmの安定術

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え~何を作るか秘密です。内緒なんです!
と言いましても、実は当社では内製いたしません。ゴメンナサイ!!!これをとあるバネ会社に送り、そこで未知なるトライが始まるのです。材料は富士発条得意?の平線であります。当然四角いワイヤーなのですが丸線をローラーでつぶして製作するらしいのですが、情けないことにその製作現場を見たことがありません。
丸線でさえ特有の規則的なワイヤーの癖があるのですが、それを癖のあるままつぶすものですから、非常に複雑な目では見えない癖が異径線には存在します。
画像は材料を送り出すフィードロールと呼ばれるものです。通常のバネを巻くときのフィードロールには概ね半丸の材料径に合わせた溝が入っています。ロールには材料を的確に送り出す役目を担っているため、製作時にはあらゆる箇所に±1000分の5mmの公差が付けられ超正確に製作されていないといけません。当社におきましても、長年信用のおけるツール製作会社とお付き合いさせていただいており、このような加工公差が要望可能となっています。
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これがフィードロールに掘られた幅1.000mm深さ0.020mmのワイヤー溝です。もちろん公差±1000分の5mm内でバッチリです。材料が1.000mm×0.050mmなのに何故深さが0.020mmなのか・・・???
当然、上下のロールで的確なロール圧力(この圧力が製品の完成度を大きく左右します)で挟む訳なので溝深さ0.020mmに対して残りの0.030mm分を上の平ロールでクランプするわけです。上のロールも溝付きであると、溝同士を合わせるのに手間がかかってしまいます。狂っているともともと癖の悪い材料が更に最悪な状態へと導かれてしまい、出来上がりの製品の形状に著しく影響を与えてしまうのは言うまでもありません。このツールを使うセットマンの方は、相当な実力者と思います。そしてチャレンジ精神も見習うべきであります。
まだ材料も見ていない状況でいったいどんな品物が出来あがるのか興味深々です。
完製品が出来あがり、公開可能となりました折には当ブログにて紹介させていただきます。
お楽しみに!

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by banelist | 2013-01-23 13:34 | 技術

竹から学べ!

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昨今の不景気を有効利用しようということで老若男女を問わず社内パソコン教室を開いています。
まずは3DCADからなのですが、ちょっと跳躍し過ぎではあ~りませんか?
当社では、もともとあまりパソコンに興味を持った者が少なく非常に珍しい会社です。
と、いうわけでAUTOCADからGoogle SketchUpに変更されました。
これなら30分で家が建ちますからね。(笑)

こちらとしては実戦での活用は期待していません、なぜならば毎日CADなどに携わることがないからです。
毎日、切磋琢磨しなければせっかく覚えたこともスグ忘れてしまうのは、みなさん周知のとおりですね。
現在ではプロからみれば遊んでいるだけですが、パソコンの仕事用ソフトに興味を少しでも持ってほしいことや、みんなで一つのことに取り組むことの意義を学んでいけたらと思っています。

最近社内勉強会がさかんに行われていますが、

知識を詰め込んだところで、実戦では幾らも役に立たない。
実戦では、変化に対応できる智慧がものをいう。
知識の缶詰は、いずれ智慧の前に跪く。

ということで、やみくもに知識を蓄えるのではなく、オリジナルな自分的智慧を蓄えようではないか。

「竹から学べ!」
知識は教えてもらうことが出来るが、智慧は自分で作り出さなければならない。知恵を授かるというのもあるが、ズバリここでは竹の存在理由、私達に何を教えようとしているのか、を考えることが智慧の習得につながるのではないかと考えている。
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by banelist | 2012-12-13 16:17 | 技術

精霊曲線美

d0214535_14313136.jpg  当社では巨大部門に入るイングリッシュフック引きバネです。
線径8mmで製作されています。このようなバネも設計から賜っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

宣伝はこれくらいにして、私が魅かれるのは、このフックであります。何と優雅な曲線であることか!もはや金属ではない、金属と思いたくない「嗜み」と申しましょうか、「舞い」こそ相応しい出来栄えであります。

分子レベルではそうとう材料にストレスがかかっていると思われますが、それを一切感じさせない淫媚なまでの美しさが見るものを圧倒します。

魂の営みさえを感じてしまうこのバネのフックには、精霊が宿っているようです。
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by banelist | 2012-06-06 14:31 | 技術

♪ 関西~電気保~安協~会 ♪

d0214535_1621669.jpg  いつもお世話になっている関西電気保安協会様です。

いつも明るい方々がいらっしゃって、デマンド会話も弾みます。そのほか電気に対する素人な質問にも懇切丁寧に教えてもらっています。

  今日はテレビで宣伝されている新デマンド装置の取り換えと設定値の変更を行いました。テレビで公開するだけあって、前回のデマンド監視装置とは比べ物にならない視覚的に向上したデマンド表示画面は一発で気に入りましたよ。

何種類もの表示が順に入れ替わるので、ホームページ上のUSTREAMにおいても退屈度が軽減されました。

  さて気になる表示画面ですが、富士発条ホームページ中ほどで世界に向けて発信しておりますので、是非ご覧くださいませ。
もうこのデマンド装置のおかげで、富士発条がマスコミに節電を通じて会社をアピールできたと言っても過言では御座いません。
これからもこの装置を活用し、更なる楽しい節電に努めてまいります。関西電気保安協会様の皆さまには、今後のご発展と御健勝をお祈りいたし、私の挨拶とさせていただきます。(笑)
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by banelist | 2012-06-05 16:20 | 技術

自家焙煎!?

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 今回は勉強を兼ねての黒染め実験です。米国EPI社製の黒染め剤を使っています。我々は超弩素人級ですので、黒染めのプロの方はあまり見ざる聞かざる喋らずでお願いいたしますね。 
 黒く染めるのに粉が白いとはいかに!黒く染めるという言葉自体もともとおかしいのです。黒錆を製品に化学的に被膜するというので正解でしょうか?なんだか怪しいです。(笑)なんかスゴイ強アルカリみたいなこと聴きました。強アルカリってなかなかイメージが湧きません。防護メガネ、手袋は必ず着用だそうです。正常に使用した場合、異臭もなく発火や爆発の危険性もなく安全な工程らしいです。
 しかし、ひとつだけ大きな情けない失敗をしてしまいました。それはアルミ製鍋です。「アルミと強アルカリの出会い」それはそれは鮮烈な燃え上がるような恋です。一瞬にしてアルミ鍋に穴が開きました。穴が開くというのは化学反応で溶解したのです。当然、熱が発生します。通常のステンレス容器かガラス容器でも、黒染め剤と水との反応で80度くらいまで熱くなります。ですがこのときは燃える恋ですから尋常ではありません。火は出ませんでしたが、何よりも強烈な鼻をつんざく臭気です。これぞ強アルカリ!生命の危険を感じましたね。わたしは無責任にも家族がある身なので逃げましたけど・・・
 それをまた説明書も熟読せずに、3~4回やってました。お恥ずかしい限りです。もう肺に穴が開くぞとばかりに、やっぱり簡単に黒染めはできない、餅は餅屋とガックリ従事者全員肩を落としていました。

 その時の画像が無いのは、マジでブログどころではなかったためです。戦争などのリアル画像などを撮れる人は本当にスゴイと思いました。暗雲が立ち込めているなか、そのとき一条の光が差しこみました。何気に説明書を読んでいた若社員が「アルミは絶対使用禁止」て書いていることに気づき、一同全身の力が完全に抜け落ちました。責任者の私は当然非難轟々!開き直るしかありません。「YOUTUBEではそんなこと言ってなかったわ!」と逃げましたが、説明している人は外人なんで英語でしたけど・・・「失敗は成功の母だよね」と優しい声もでてました。暗雲が晴れ渡り少しですけどやる気がでてきました。あ~先は長~い・・・・・

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 で、とりあえず実験の実験という感じで終了しましたが、出来栄えは黒染め皮膜が剥がれているところが(皮膜されていない)ところどころありまして、まだ製品というまでは程遠い感じでした。
 説明書をいつも斜め読みする悪い癖がでてしまい初心に戻ろうと再チャレンジです。ところどころ黒染め皮膜がのっていなかったということで、説明書通りまず不純付着物をとるために洗浄液に浸すことに。昔ならばトリクレンという有毒ではありますが非常に脱脂などに効果があり重宝したものがありました。現時点では環境保護の観点から人畜無害同等品を使っています。でもこれがやはり性能が落ちるイコール時間がかかるのです。

 では二日目の始まりです。一晩でトロトロの液体が膠(にかわ)のように硬く固まってました。今の若い子などは膠なんか皆目知りません。話はそれますが昔、硬く固まる前のゼリー状の膠を犬に食わしたら非常に喜んだ経験があります。(爆)

 話を戻しますと、固まった黒染め液をまず熱をかけて溶かします。これがまた膠そっくりです。違うのはあの動物的な匂いがないということです。脱脂液に浸している間にコンロで慎重に溶かしていきます。昨日のことがあるので、やることなすこと全てビビッっています。この溶かすのに慎重過ぎて結構時間を費やしてしまいました。メーカーさんからは138度が推薦温度として聴いています。画像はバッチリ指定温度を指しています。ここでまだ模索中なのですが138度で沸騰をキープなのか?138度であれば沸騰していなくてもよいのか?というところです。これが黒染め処理にどういう結果をもたらすかはまだまだこれからです。

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 脱脂も終わりよく水洗いもしました。さぁ黒染め液に浸します。ステンレス容器のため昨日のような化学反応などは全くなく、匂いも皆無!嘘のように快適です。これならできると自信が湧いてきました。
 二酸化炭素と反応して炭酸ナトリウムが液面いっぱいにあふれています。鍋物の灰汁のような感じで時々すくってやります。最初は一瞬で色が入ります。でも少し青っぽいかなという、磯釣りで釣れるグレの色といえば釣り好きの方ならスグお分かりになる色と思います。(笑)たまに動かしてやる程度で約10分くらい、ぐっと黒色が増した獲物が上がってきました。揚げたては強アルカリでヌルンヌルン、炭酸カルシウムだらけなんで、すぐ冷水で洗います。結構なかなかアルカリが取れないものなんですね。そうこうしているうちに上品な黒染めが出来上がりました。

d0214535_9593574.jpg 最後に防錆油を塗って仕上がりです。どうですか?素人にしてはまぁまぁでしょ。やはり最初に表面の不純物を十分に除去してやることが美しい黒染め皮膜を形成することが解りました。
 虫眼鏡で細部までくまなく検査しましたが、前回のような剥げているところは皆無でした。贅沢を言えば、引きバネのフック部分と密着バネ部分で多少色合いが変わるということです。フック部のほうがより黒い感じです。バネ部は若干ですがグレ色が残っているような気がしないでもない感じです。これは今後の課題として勉強していきます。
 今回感じたことは液体を使う作業の難しさと言いますか、黒染め液そのものを常に最良最適の状態にキープすることが“コツ”といったら、まだまだ叱られそうですが、次回はもっと細い材料のものや個体などもチャレンジしたいと記録魂に火が付きました。
 あと説明書はちゃんと読みましょう。本当に命の危険を感じましたからね。
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by banelist | 2012-03-16 10:02 | 技術

以外案外

d0214535_8254731.jpg  ちわ~っす!機械課のTです。体の大きさはは富士発条一ですが、極細線やらされてます。(笑)ウチの部署では基本的に材料はクレーンなどを使わず、素手で線台に材料を載せているので当然太物の材料載せにはお声がかかります。太い材料は重いだけでそれほど気は使いません。
  画像はSUS631Jをセットしているところですが、304に比べて高価なので当然取り扱いには神経を使いますよ。ちょうどこれは展開長の長いものを高速で製造するラインなので、納品された材料の巻形状のままセットしては、機械がスタートしてから何回も線台トラブルを起してしまいます。要するに機械の高速製造に線台がついていけなくなり、グチャグチャに絡んで復旧に多大なる時間を費やしてモチベーションまで下がっちゃいますね。
  それで同業者の皆さんは御存知でしょうが、このように材料を少しづつ割っては載せるやり方が不可欠なんです。しかしこれも少し気を抜くと材料を絡ましてしまうので、載せるよりも割るときに意識を集中させます。材料のロットによっては全然上手く割れないなんてこともあり、結構大変な仕事なんですよ。
  φ0.2以下の材料を割って載せる、また途中で急ぎの品物が入ってきたときに、割って載せた材料を元の形になるように降ろす(このほうが数段難しい!)ことが出来れば材料載せに関しては一人前かな?というわけで日々、大きな身体を小さくして極細線と格闘しています。
 
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by banelist | 2012-02-09 08:52 | 技術

大小は武士の魂

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 PBφ20mmのバネを御注文いただきました。弱電バネが多い当社では、毎日バネに携わっている自分でもやはり迫力を感じます。
でもバネはバネなんですよね。手前のバネと全く同じ仕事をするんですよ。言いたいのは物事は大きさじゃない!・・・ということですが、“大は小を兼ねる”って諺もありますし、世の中50年くらい生きたくらいでは解りません???でもでも、やっぱり自分の心くらいは大きい方がいいかなと思います。

 当社では信用実績のおける外注先様に発注しておりますので、外注先様品質+富士発条品質のダブル高品質で納品いたしております。製作には多少お時間をいただきますが、何なりと御見積り御注文くださいませ。
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by banelist | 2011-07-29 07:45 | 技術

吊り出し

d0214535_1036107.jpg豪快な決まり手の吊り出しです。あくまで大事な品物を吊るので、吊り落としではいけません。
また得意の「今更」で申し訳ないのですが、実は重い研磨盤の取り付けに大変なのでクレーンとして製作中です。

製作者曰くかなり自信があるようなので、早く画像を取れとうるさいんです。
すぐ折れるのとちゃうか?こんな溶接で大丈夫かい??がこちらの意見です。

当社ならではのオール廃材での製作です。
やはり黄色に塗るそうですが、できましたらまた報告します。

作業場まわりが乱雑なのはお許しくださいませ。終わったらちゃんと片付けさせますので・・・
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by banelist | 2011-05-27 10:34 | 技術

霊妙技神

d0214535_85944.jpgたまに奥から引っ張り出してメイン通路で迷惑稼働するのですが、調整がとても微妙で繊細なマシンです。
それでこれまた製品が、リン青銅の密着巻き7メートル。いわゆる長巻というものです。
材料が柔らかいので、フィードローラー圧を滑る寸前まで緩くするのがコツなんですよ。

作業者曰く、お得意先様はこの製品をいったいどう使っておられるのか、ハッキリ分らないらしいんです。たしか、グチャグチャに潰して濾過フィルターに使っておられる、という話も聞きますが。

1本巻くのに約7~8分、これが結構中途半端でずっと機械についていると、とてつもなく長く感じるし、合間に他の仕事をするとすぐ時間が経ってしまいバタバタしてしまう。

担当作業者にとっては申し訳ない約一週間のひとときである。
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by banelist | 2011-03-09 08:26 | 技術

流石!

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昨日は日本精線株式会社様においでいただき、ステンレスについての疑問にお答えいただきました。前川課長様、杉本係長様、大変お忙しい中こちらのオファーに早速御足労いただき感謝感激です。富士発条として、また質問している自分としてマテリアルに対する知識がひろがったことに大変な有意義さを感じました。

●内容(間違い、勘違い箇所は御指摘願います

1. ステンレスはハガネの分類に入りますか?:字の通り「ステンレス鋼」と呼びますのでハガネです。但しクロムを11%以上含み且つ鉄が50%以上に限ります。

2. ステンレスはなぜ錆びにくいか?:ステンレスの中のクロームが酸素と自然結合して表面に不動態皮膜を作っているからです。

3. 傷が入れば錆びるのか?:不動態皮膜が剥がれれば錆びます。しかし酸素が十分なところでは瞬時に皮膜が形成されます。

4. 伸線時に残留応力は発生しますか?:加工硬化とともに伸線と反対方向への残留応力が発生します。

5. 伸線とは一発でその線径まで仕上げてしまうのですか?:何回かに段階を経て細くしていきます。伸線すると加工硬化するので熱をかけて柔らかくし、また伸線の繰り返しです。

6. 伸線時の残留応力はバネ成形後の低温焼鈍で抜けますか?:バネ成形時の残留応力とともに抜けます。

7. 購入している材料は硬く思うので、焼きが入っているのですか?:、針金と違ってもともと硬い材質ではありますが、 伸線時に加工硬化しているだけです。まったくの生です。

8. ステンレスと他の金属物質が接触すると水分が無くても錆びますか?:接触すると電気が発生し錆びます。

9. セッチング加工後にテンパするとNGですか?:せっかく逆方向の残留応力をバネに持たせて強くなっているのに、テンパすると元に戻ってしまいます。

10. 残留応力というの抜けることはないのですか?:加工時の金属の歪ですからずっと残っています。

11. バネ材に伸線加工時の異方性はありますか?:最近にわかに注目されています。はっきりとは証明されていませんが、可能性はあります。材料をひっくりかえして反対から加工したら、不良率が減ったという事例もあります。

12. ハステロイはステンレスと呼べますか?:NOです。ニッケルが多く(50%以上)含まれており、ニッケル合金と呼ばれています。

13. ハステロイよりバネ材として扱いやすいものはありますか?:NAS604PHというコバルト40%のものがあります。すべてにおいてハステロイの性能を上回る優れものです。

14. 御社シルビア材は何故加工しやすいのですか?:ニッケルメッキが見た目、滑りに貢献しているためです。

まだまだ沢山ありますが、知らない世界を垣間見ることができ、非常に楽しいひとときをありがとうございました。これからもいただきました貴重な知識を後輩に受け継ぎ、業界の繁栄に努めてまいります。

前川課長様、杉本係長様、これからも末長くよろしくお願いいたします。
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by banelist | 2011-02-09 09:26 | 技術